間接照明のリノベーションを検討している方の中には、LEDテープライトの具体的な選び方や設置後の仕上がりについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LEDテープライトを用いた間接照明の費用相場・施工事例・メリット・デメリットを徹底解説します。
LEDテープライトで間接照明を作るメリットと特徴

LEDテープライトは、薄くて柔軟性が高いため、従来の照明器具では難しかった場所にも設置可能です。リノベーションにおいて、空間の質を劇的に高めるツールとして注目されています。
好きな長さにカットして自在に形を作れる「自由度の高さ」が最大の強み

テープ状のLED照明は、指定の単位でカットでき、曲面などにもフィットするため、形状や長さを自由に調整できる柔軟性が最大の強みです。現場の状況に合わせてジャストサイズで施工できる点が、他の器具にはない利点です。
従来の直線的な器具とは異なり、テープライトは現場で任意の長さに切断できる製品が多く、曲線的な壁や円形折り上げ天井にも沿わせて設置可能です。建築の造形を活かした光の演出が容易になります。
リビングのR壁や円形の折り上げ天井、家具の縁などに沿わせて配置し、柔らかな間接光のラインを作り出すことが可能です。直線光源では不可能だった自由曲面への追従により、デザインの制約が大幅に緩和されます。
指定位置(ハサミマークなど)でカットできるものが多く、設置場所に合わせたサイズで施工可能です。基板上に一定間隔で回路が組まれており、指定単位ごとに独立して発光できる構造になっているためです。
コーブ照明・棚下照明・家具裏照明など建築に一体化した照明を低コストで実現

LEDテープライトは極めて薄くコンパクトであるため、家具の裏や棚板、造作のわずかな隙間に仕込むことで、低コストで建築と一体化した本格的な間接照明を実現できます。大掛かりな大工作業を省けるのも魅力です。
器具の厚みが数ミリ程度しかないため、従来の蛍光灯では隠すために大きな幕板が必要だった場所でも、わずかな隙間があれば納めることができます。これにより、よりノイズレスな空間デザインが可能となりました。
テレビボードの背面や棚下、ベッドのヘッドボードの裏などに貼り付けるだけで、大掛かりな造作を伴わずにコーブ照明のような効果を得られます。既存の家具を活かしたアップグレードにも最適です。
リノベ編集部高さ数ミリ〜十数ミリの空間があれば設置できるため、本格的な建築化照明を簡単に実現できます。家具に後付けする場合は、ACアダプターの置き場所と配線ルートをあらかじめ確保しておくことが大切です。
LEDテープライトの選び方:密度・防水・色温度で選ぶ


用途や場所に合わせて最適なテープライトを選ぶことが、失敗しないための第一歩です。ここではスペック選びの重要ポイントを整理します。
LEDの密度(個/m)と光束(lm/m)


テープライトを選ぶ際は、1メートルあたりのLED素子の数と明るさを確認し、用途がメイン照明かアクセント照明かによって適切な出力のものを選択します。これを確認しないと、設置後に明るさが足りないといったトラブルにつながります。
テープライトには、LED素子がまばらでドット(粒)が目立つタイプと、密度が高く1本のシームレスな線に見えるタイプがあります。明るさも、足元灯から部屋全体のベース照明まで幅広く展開されています。
コーブ照明として天井を明るく照らす場合は光束が大きいハイパワータイプを選び、足元灯や棚を照らす程度であれば低光束のタイプを選びます。用途に応じたルーメン値の確認が不可欠です。
LEDチップのピッチが広いと、反射面に近接して設置した際に光の粒感が生じやすくなります。これを防ぐには、密度が高いタイプを選ぶか、照射面との距離を十分に確保する設計が必要です。
IP44・IP65・IP67の防水等級


水回りや屋外でテープライトを使用する場合は、国際基準であるIPコードを確認し、設置環境に適した防滴・防水仕様を選ぶ必要があります。基板自体は水分に弱いため、適切な等級選定が事故を防ぐ条件です。
IPコードの2桁目は防水性能を表し、水ハネが懸念される場所や屋外の軒下ではIP65(防雨型)、水に浸かる可能性がある場所ではIP67以上の高い性能が求められます。用途に合わせた保護等級を選びましょう。
浴室や屋外のウッドデッキの足元に仕込む場合は、チューブ等で完全に密閉された防湿防雨型の製品を使用します。一方で、リビングのテレビ裏などは、放熱性が良く安価な非防水タイプが適しています。



水回りや屋外で使える製品は専用素材で完全に密閉処理されています。非防水タイプを湿気の多い場所で使うと結露で故障するため、必ず設置環境に応じた製品を選んでください。
単色(電球色・昼白色)vs RGB


テープライトには、落ち着いた空間を作る「電球色」や作業に向く「昼白色」などの単色タイプと、フルカラーに変えられる「RGBタイプ」があり、目的の雰囲気に合わせて選定します。空間の用途を明確にすることが大切です。
住宅のリビングや寝室でリラックスした間接照明を作る場合は、2700K〜3000K程度の電球色を選ぶのが基本です。RGBテープは、ホームシアターやゲームルームなど、シーンに合わせた演出に向いています。
寝室のベッドヘッド裏には電球色を仕込んで温かみを作り、シアタールームにはRGBテープを貼り付けて、映像に合わせて青や紫の光で演出します。最近は色温度を変更できる調色タイプも人気です。



RGBの組み合わせだけで美しい電球色を作るのは難しいため、日常使いの白色光が欲しい場合は単色タイプを選びましょう。RGBはアクセントとして局所的に用いるのが、住宅ライティングのセオリーです。
テープライト設置の失敗例と解決策


設置後に「思っていたのと違う」とならないために、プロが実践する仕上げのテクニックとトラブル対策を解説します。
テープライト特有の「LEDの粒々感(ドット)」を消すためのアルミプロファイルの使い方
LEDチップの粒々が壁や床に映り込んで安っぽくなるのを防ぐため、乳白アクリルカバーがついた「アルミプロファイル」等に収納して光を拡散させるのがプロの仕上げです。反射面への映り込みは美観を損ねます。
むき出しのテープライトをそのままツヤのある床面や壁の近くに貼ると、点光源がそのまま粒の連続として反射します。乳白カバーに収めることで、点光源が拡散され、滑らかな線の光へと変換されます。
テレビボードの裏やキッチンの足元に設置する際、直接貼るのではなくアルミプロファイルを使用します。最初からドットが見えないように設計された「ドットレスタイプ」のテープライトを選ぶのも有効です。
LEDの光は直進性が非常に強いため、何かで光を拡散させないと柔らかなグラデーションが生まれません。ディフューザー(拡散カバー)を用いて輝度を均一化することが、質を高める必須のディテールです。
ACアダプターやコントローラーなど「電源周りの大きな部品」を美しく隠す方法
テープライトを点灯させるために必須となる大きなACアダプターやコントローラーは、点検口や家具の裏などに隠す計画を事前に行う必要があります。本体は薄くても、周辺機器の存在を忘れてはいけません。
12Vや24Vで駆動するテープライトは、電圧を下げるための電源装置(トランス)が別途必要です。これらの機器が目立つ場所にあると美観を損ねるため、メンテナンスが可能な場所に隠蔽します。
玄関の上がり框の下に施工する場合、近くの靴箱の中などに電源スペースをあらかじめ確保しておきます。電源装置からテープライトまでの距離には制約があるため、配線ルートも同時に検討します。



故障の要因となりやすい電源ユニットを灯体から分離し、放熱が可能な空間に隠すことが設備計画上の要点です。家庭用の100Vを直流に変換する装置は、システム上不可欠であることを理解しておきましょう。
両面テープの劣化による「器具の剥がれ・落下」を防ぐビス止めや補強


テープライト裏面の粘着テープだけで設置すると、熱や経年劣化で剥がれて落下しやすいため、マグネット付きの製品を選んだり、ビス留め等の物理的な補強を併用することが重要です。特に下向きの施工は注意が必要です。
多くの製品には両面テープが貼られていますが、LED自身の熱や重力によって粘着力が低下します。時間が経つと剥がれ落ちるトラブルが多いため、物理的にしっかりと固定する方法をとるべきです。
鉄製の家具に設置する場合はマグネット直付けタイプを選び、木材の場合は専用の固定クリップを等間隔でビス打ちして支えます。これにより、両面テープの劣化による落下リスクをなくせます。
高分子材料である粘着テープは熱で劣化しやすいため、化学的接着のみに依存するのは危険です。照明の点灯・消灯による熱サイクルを考慮し、クリップやマグネットで機械的に接合するのが施工品質の原則です。
最後に|テープの間接照明を活用して自分だけの空間へ


LEDテープライトは、自由な長さと柔軟性、圧倒的な薄さにより、従来の照明器具では不可能だった場所にも低コストで本格的な間接照明を導入できるツールです。適切な色温度と施工方法を用いれば、高級ホテルのような上質な空間演出を叶えてくれます。
導入にあたっては、以下のポイントを意識しましょう。
- メリット:極小スペースへの設置が可能で、建築と光を一体化できる
- 注意点:電源装置の隠し場所や、LEDの粒々感を消すためのカバーが必要
- コツ:両面テープだけでなく、クリップ等で物理的に固定して耐久性を高める
これらの工夫を凝らすことで、何の変哲もない部屋が洗練された雰囲気に生まれ変わります。
| 施工箇所 | 費用相場(税込) | 工期 | 施工内容 |
|---|---|---|---|
| キッチン棚下 | 3万円〜6万円 | 1日 | LEDテープ・プロファイル設置 |
| リビングコーブ照明 | 8万円〜15万円 | 1日〜2日 | 造作内への配線・テープ設置 |
| 階段足元灯 | 5万円〜10万円 | 1日 | 全段への配線・固定クリップ施工 |
理想の空間を実現するために、まずはどこに光を当てたいかをイメージすることから始めてみてください。








