間接照明を取り入れたいと考えている方の中には、「どうやって設置するの?」「どこに置くとおしゃれに見えるの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、間接照明の費用の目安や実際の施工事例を紹介しながら、メリット・デメリットについてもわかりやすく解説します。
間接照明をうまく使うための3つの基本原則

間接照明を成功させるには、単に器具を置くだけではなく、光の性質を理解した設計が必要です。基本となる3つのルールを確認しましょう。
光源を隠す

間接照明とは、照明器具を直接見せず、壁や天井に反射したやわらかい光だけを見せる照明方法です。
光源(電球)が見えるとまぶしさを感じやすくなり、リラックスの妨げになります。さらに、目の負担やストレスの原因にもなるため注意が必要です。
間接照明では、照明器具を隠す工夫が重要です。「幕板(まくいた)」というカバーの高さを調整し、光が直接見えないライン(カットオフライン)を意識して設計すると、きれいな光の広がりを作ることができます。
また、リノベーションで取り入れる場合は、事前の確認が欠かせません。どの位置から見ても電球が見えないように設計し、断面図でシミュレーションしておくと失敗を防げます。
目的を決める

間接照明を取り入れる際は、「空間を広く見せたい」「素材の質感を引き立てたい」「リラックスしたい」など、それぞれの場所での過ごし方に合わせて目的を明確にしましょう。
例えば、天井を照らす「コーブ照明」は、空間を高く見せる効果があります。一方で、壁を照らす「コーニス照明」は、奥行きや広がりを強調できます。
また、足元を照らす低い位置の照明は、安心感を与えるのが特徴です。就寝前のリラックスタイムにも適しており、落ち着いた雰囲気をつくります。
リノベ編集部目的に応じて光の当て方を変えることで、同じ部屋でもまったく違った印象を演出できます。
メイン照明と組み合わせる


間接照明を取り入れるときは、1つの照明だけで部屋全体を明るくしようとしないようにしましょう。必要な場所に、必要な光を配置する「多灯分散」の考え方を意識しましょう。
まずは、部屋全体を明るくするベースの照明を設置します。そこに、演出として間接照明をプラスしていきます。こうすることで、空間に立体感とメリハリが生まれます。
さらに、調光機能を取り入れると便利です。食事や団らん、就寝前など、生活シーンに合わせて明るさを調整できるようになります。
壁を照らして部屋全体を明るく見せつつ、手元の作業にはスポットライトを使うなどの工夫も重要です。こうした光の使い分けが、快適な空間づくりにつながります。
器具タイプ別の取り付け・設置方法


リノベーションの規模や予算に合わせて、適切な器具選びが大切です。タイプ別の特徴と設置のポイントをまとめました。
フロアランプ・テーブルランプ


コンセントがあれば設置できる照明は、手軽に間接照明を取り入れられる便利な方法です。工事が不要なため、完成後の住まいでもすぐに使えます。
中でも、アッパーライト型のフロアスタンドは人気があります。天井に向けて光を当てることで、やわらかい光の広がりをつくれます。簡単にコーブ照明のような雰囲気を再現できるのが特徴です。
ソファの横や家具の隅に置く場合は、注意も必要です。座ったときにまぶしさを感じないよう、高さやシェードの素材をしっかり選びましょう。
置くだけで使えるため、賃貸マンションでも取り入れやすい点が魅力です。気軽な模様替えにも向いています。
LEDテープライト


スリムでコンパクトなテープライトは、ちょっとした隙間にも設置できる点が特徴です。棚板の下やニッチ、カーテンボックスの中など、限られたスペースにも無理なく収まります。
ただし、そのまま使うと光の粒が目立つ場合があります。気になる場合は、乳白色のカバーや拡散パーツを使うと、やわらかく均一な光のラインに整えることができます。
また、テープはカットして長さを調整できますが、設置計画も重要です。電源アダプターは隠しつつ、故障したときに点検できる場所を確保しておきましょう。
設置場所としては、テレビの裏やキッチンの足元などがおすすめです。光源をうまく隠しながら、しっかりと効果を出せるため、プロもよく取り入れている方法です。
ブラケット・ダウンライト


ブラケット(壁付け照明)は、上向きに光が出るタイプを選ぶと、天井を効率よく照らす間接照明として使えます。
また、ダウンライトを壁際に寄せて設置する「ウォールウォッシャー」という手法を使うと、壁全体を均一に明るくでき、空間に開放感を演出できます。
階段や廊下では、段差を際立たせるために低い位置にフットライト(足元灯)を埋め込みもおすすめです。夜間の安全性を保ちながら、演出性も両立できます。
| 施工箇所 | 費用相場(税込) | 工期 | 施工内容 |
|---|---|---|---|
| リビング天井 | 15万円〜30万円 | 2日〜3日 | コーブ照明造作・配線 |
| 寝室壁面 | 10万円〜20万円 | 1日〜2日 | コーニス照明・LED設置 |
| 廊下足元 | 5万円〜10万円 | 1日 | 埋込フットライト設置 |
間接照明の使い方の実務知見


設置した後に後悔しないために、プロが現場で気をつけている実務的なポイントと解決策を解説します。
設置後に「思ったより暗い」「光のムラが気になる」問題の原因と事前の確認方法


光を受ける壁や天井の色が「濃い」場合、光を吸収してしまい、期待したほどの明るさ感(Feu値)が得られないことがあります。
反射面がツヤのある素材だと光源が鏡のように映り込む「反射グレア」が起きるため、マット(ツヤ消し)な仕上げ選びが鉄則です。
光の伸びが悪い場合は光源と天井の距離が近すぎる可能性があるため、天井から300mm、壁から150mmのクリアランスを確保しましょう。
事前にカットサンプルを照らして反射具合を確認すると、施工後の「イメージ違い」を未然に防げます。
生活動線の中でスイッチを入れるのが面倒にならない位置とセンサー・スマート化の活用


スイッチはエリアごとに回路を分け、部屋の入り口や枕元など移動のついでに操作できる「3路スイッチ」が基本です。
廊下や玄関などは「人感センサー」を活用すると、消し忘れを防ぎつつ、両手が塞がっていても自動で点灯させることができます。
「スマート電球」やIoTシステムを導入すれば、工事不要でスマホから一括操作やスケジュール設定、細かな調光が可能になります。
- 人感センサー:夜中のトイレ移動や帰宅時に自動点灯して便利
- スマート化:音声操作やスマホ連動で、立ち上がらずに調光可能
- 回路分け:全般照明と間接照明を分けることで、気分に合わせて使い分け可能
利便性を高めると、せっかく設置した間接照明が「ただの飾り」になるのを防ぎ、日常的に活用できるあかりになります。
空間の広さに対する照度不足を防ぐメイン照明との適切なバランスの取り方


間接照明は、あくまで雰囲気を演出する光です。読書や調理などの作業(タスク)には、スポットライト等の直接照明を補います。
全般照明と間接照明を別回路にし、明るさを制御できる「シーン記憶調光器」を用いると、昼と夜で劇的に空間の印象を変化させられます。
エアコンの室内機やカーテンボックスなどの障害物を避け、光が途切れず連続して流れるように器具を配置するのがコツです。
- エアコンの風でLEDが揺れたり、本体の影が天井に出ないよう配置に気をつける
- 調光スイッチは、対応するLED器具とセットで選定しないとチラつきの原因
- 暗すぎると感じる場合は、壁面の反射率が高い白系の内装材を検討する



作業に必要な明るさと、リラックスに必要な情緒的な光をバランスよく配置すると、実用性の高い住まいが完成します。
まとめ|間接照明の使い方を成功させるためのチェックリスト


間接照明を成功させるには、事前の寸法設計と仕上げ材の選定、生活動線に基づいたスイッチ計画が不可欠です。
- 光源が直接、あるいは鏡面反射で視界に入っていないか?
- 光を受ける壁や天井は、光が柔らかく拡散するマットな仕上げか?
- 被照射面との距離(天井300mm、壁150mmなど)は適切か?
- 生活シーンに合わせた「調光」や「回路分け」ができているか?
- 器具交換や清掃ができるメンテナンススペースが確保されているか?
ポイントを一つずつ確認しながら計画を進めると、リノベーション後に「やってよかった」と思える理想の光環境を手に入れることができます。








