住まいの空間づくりを検討している方の中には、間接照明が気になっている方も多いのではないでしょうか?
間接照明は、光源を隠し、光を壁や天井などに一度反射させてから空間を照らす照明です。空間に奥行きと広がりをもたらし、リラックスできる雰囲気を演出します。
この記事では、間接照明の基本知識からメリット・デメリット、そして理想の空間を作るための選び方まで徹底解説します!
間接照明とは何か?意味を簡単にやさしく解説

間接照明とは、光源から出た光を天井や壁に反射させ、「反射光」で空間を照らす照明手法です。英語では「Indirect Lighting」と呼びます。
直接照明が光源の光をそのまま当てるのに対し、間接照明は光源を建築構造や器具の形状で隠すのが大きな特徴です。光が反射・拡散されるため、影が柔らかくなり、空間全体のコントラストが自然に抑えられます。
- 天井の折り上げ部分に器具を隠し、天井面そのものを光らせる
- 壁の裏側に器具を仕込み、壁面をやわらかく光らせる
「おしゃれなスタンドライトを置くこと=間接照明」と思われがちですが、スタンドライトは補助照明です。間接照明は建築の一部として光源を隠し、構造面を反射板として使う設計手法を指します。
反射面の「輝度(見た目の明るさ)」をコントロールすることで、視線の誘導や空間の奥行き感を生み出せるのが本来の間接照明の役割です。
間接照明の種類とは?代表的な3つの手法を解説

リノベーションで間接照明を取り入れる場合、光を当てる面によって3種類の手法から選びます。
| 種類 | 照らす面 | 主な効果 |
|---|---|---|
| コーブ照明 | 天井 | 開放感・天井を高く見せる |
| コーニス照明 | 壁(上→下) | 素材感の強調・空間の広がり |
| バランス照明 | 壁の上下両方 | 圧迫感の軽減・安定感 |
どの手法が自分の部屋に合うか、それぞれの特徴を確認していきましょう。
天井を照らす手法【コーブ照明】

光源を天井近くに隠し、天井面に反射させた光を部屋全体に広げる手法をコーブ照明といいます。
直接光が目に入らないため、やわらかくムラのない明かりが得られます。天井が実際より高く見える視覚効果があり、「今の部屋を広く見せたい」という要望に応えやすい照明計画です。
仕上がりの質を左右するのが、天井に現れる光の境界線です。この境界線が自然にぼけているほど、高級感のある空間に仕上がります。業者へ依頼する際に「カットオフラインを意識した設計をしてほしい」と一言伝えるだけで、完成度が大きく変わります。

壁を照らす手法【コーニス照明】

壁面の最上部に光源を配置し、壁を上から下へなめるように照らす手法をコーニス照明といいます。
リノベーションで石材やタイルなどの素材をアクセントウォールに使う場合、コーニス照明を合わせると素材の凹凸や質感がより際立ち、費用をかけた素材の魅力を最大限に引き出せます。
リビングのアクセントウォールや廊下の突き当たりなど、「見せたい壁」に絞って採用するのが基本です。
リノベ編集部壁全体に使うと光量過多になりやすいため、ポイント使いにとどめておきましょう。


壁面を上下に照らす手法【バランス照明】


壁の中間に遮光板(バランス)を設け、上下両方向へ同時に光を放つ手法をバランス照明といいます。
カーテンボックスと一体化させて設置するケースが多く、大掛かりな工事をせずに天井と壁の両面へ光を広げられます。
上下に光を分散させると壁面の圧迫感が和らぎ、空間全体が落ち着いた印象になります。



コーブ照明とコーニス照明の効果を1か所で兼ねられるため、予算やスペースを抑えながら間接照明を充実させたい場合にもおすすめです。


間接照明のメリット3選!心安らぐ空間演出と癒やしの効果とは


間接照明の最大のメリットは、光源が直接目に入らないため、眩しさ(グレア)なく空間全体をやわらかく包めることです。
リノベーションで照明計画を見直すなら、ぜひ取り入れてほしい選択肢のひとつです。
眩しさを抑えて心身をリラックスさせる


間接照明は光源が直接目に入らないため、眩しさを感じにくく、心身をリラックスさせる効果があります。
光が壁や天井に反射して届く構造上、目への刺激が抑えられ、副交感神経が優位になりやすい状態をつくります。就寝前や長時間くつろぐリビングで特に効果を発揮します。
空間全体の輝度(明るさ)が均一なグラデーションになるため、シーリングライトのような「点で強く光る」状態と比べて、視覚疲労が大幅に軽減されます。



照度の目安として、リラックス用途の間接照明は100〜200lx程度が適切とされています。メイン照明と組み合わせて調光できると、シーンに応じた使い分けができます。
空間を広く見せる演出力


天井や壁を照らす間接照明は、実際の広さ以上に空間を広く・高く感じさせる視覚効果があります。
人間の脳は「壁面(鉛直面)が明るい空間」を広いと認識する特性を持っています。床面だけを照らすダウンライトと異なり、壁や天井まで光が届くことで奥行きと高さの両方を演出できます。
天井高2.4mの一般的なマンションでも、コーニス照明(天井と壁の境目に仕込む手法)を取り入れると、天井面が明るく照らされ、実際より天井が高く感じられます。



リノベーションで天井高を変えるのはコストがかかりますが、照明計画の見直しだけで空間の印象を大きく変えられます。費用対効果の高い改善策として検討する価値があります。
素材の質感を引き立てる


間接照明は素材の表面に繊細な陰影をつくり、タイルや木材などの質感を最大限に引き出します。
壁面すれすれの角度から光を当てる「斜射光」の手法により、素材の凹凸に光と影のコントラストが生まれます。平坦な照明では埋もれてしまう素材の表情が、立体的に浮かび上がります。
石材タイルを張ったアクセントウォールに壁面すれすれからライン照明を当てると、タイル目地の凹凸がくっきりと浮かび上がり、ホテルライクな高級感が演出できます。木目の壁材でも同様の効果が得られます。



素材の質感を活かしたい壁面には、光源を壁から10〜15cm程度離した位置に設置するのが基本です。離しすぎると陰影が出にくくなるため、施工前に照射角度を確認しておくと安心です。
間接照明のデメリットとは?後悔しないための注意点


間接照明はおしゃれな空間を作れる反面、通常の照明器具を取り付けるだけでは実現できません。建築工事との連携が必要になるため、コストや維持管理の面で特有の課題があります。
造作費と工事手間がかかる
器具を隠すための幕板や折り上げ天井といった「建築造作」が必要になるため、通常の照明取り付けより大工工事・内装工事のコストが増えます。
壁や天井に手を加える工事が伴うため、リノベーション計画の初期段階から照明デザインを組み込む必要があります。後から追加しようとすると、仕上げ材の撤去・やり直しが発生し、コストがさらに膨らみます。
LEDライン照明の普及で器具は小型化しているものの、器具を収める「懐(ふところ)寸法」の確保や配線ルートの設計は欠かせません。



設計段階で照明担当者と詳細を詰めておくことが、余計な追加費用を防ぐ近道です。
構造によって清掃しづらい場合がある
光を遮るための溝や棚状の構造にホコリが溜まりやすく、脚立がないと手が届かない位置に設置されることが多いため、日常的な清掃が難しくなります。
間接照明は壁や天井への「反射」で明るさをつくる手法です。反射面にホコリが積もると反射率が下がり、設計時に想定していた明るさが出なくなります。



「LEDだからメンテナンス不要」は誤解で、定期的な清掃は必須です。
- 脚立なしで清掃できる高さかどうか
- 溝や棚の奥まで拭き取れる形状かどうか
- 器具交換の際に仕上げ材を傷めずに作業できるかどうか
清掃しやすい構造かどうかは、設計段階で施工会社に必ず確認するようにしましょう。
間接照明はどこに使う?シーン別の活用方法


間接照明は「置く場所」によって、空間の印象が大きく変わります。
リノベーションで照明計画を見直すなら、生活シーンに合わせた設置場所の選び方が重要です。寝室・玄関・水回り・テレビ周りの4つが特に効果的な場所です。
寝室の間接照明で就寝前が整う、やさしい灯り


就寝前の間接照明選びが、睡眠の質を左右します。
夕方以降に青白い光(昼白色)を浴び続けると、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が抑制されます。色温度2700K以下の電球色を低い位置から照らすことで、自然な眠気を促せます。
寝室で間接照明を利用する際のおすすめの設置パターンを以下にまとめています。
| 設置場所 | 照明の種類 | 効果 |
|---|---|---|
| ヘッドボード裏 | コーニス照明 | 壁面をやわらかく照らし、天井を高く見せる |
| ベッド足元 | フットライト | 夜間の移動を安全にしつつ間接光として機能 |
| 枕元の低い位置 | 電球色LEDテープ | 直接目に入らず、手元だけほんのり明るい |



光源が視線に入らないよう、照度は100lux以下を目安にするとより快適です。
玄関・廊下の間接照明で高級感と開放感を演出




玄関(廊下)の間接照明は、訪れた人に「広い」「上質な空間」と感じさせる視覚効果があります。
玄関は面積が限られているため、直接照明だけでは圧迫感が出やすい場所です。光の反射や視線誘導を活用することで、実際の広さ以上の開放感を演出できます。
上がり框(かまち)の下部にライン照明を仕込むと、床が浮いているような浮遊感が生まれます。さらに、玄関正面の壁をコーニス照明で照らすと奥行きが強調され、ゲストを自然に内部へ導けます。



廊下への光のつながりを意識すると、玄関から室内まで一体感のある空間になります。
水回りの間接照明で機能性とデザイン性を両立


洗面・浴室の間接照明は、使いやすさとデザイン性を同時に高められます。
水回りは防湿・防水対応(IP44以上)の照明器具を選ぶことが大切です。



鏡周りに光源を配置する際は、直接光が鏡に映り込まないよう角度を調整しないと、不快なまぶしさが生じます。
洗面鏡の上下にバランス照明を設置すると、顔に均一な光が当たり、影のないクリアな見え方になります。
また、メイクや髭剃りの精度も上がるため、機能面でも効果的です。色温度は昼白色(4000K前後)が顔色を自然に見せやすく、洗面所には特に向いています。
テレビ裏の間接照明で映画館のような臨場感を作る


テレビ背面への間接照明は、目の疲れを減らしながら映画館のような没入感を生み出します。
暗い部屋で明るい画面だけを見続けると、瞳孔が頻繁に調整を繰り返して目が疲れます。間接照明でテレビ背面の壁を照らして「周囲の輝度」を上げることで、画面と背景の輝度差が縮まり、快適な視聴環境になります。
テレビ背面にRGB対応のLEDテープを貼り付け、コンテンツに合わせて色を変える使い方が人気です。映画鑑賞時は電球色、ゲームプレイ時はブルーやグリーンなど、シーンに応じた演出が可能です。



画面サイズが65インチ以上の場合、背面照明の効果がより強く感じられます。
間接照明に関するよくある質問


- シーリングライトと間接照明の違いは何ですか?
-
シーリングライトは空間全体を直接照らす主照明であるのに対し、間接照明は光を反射させ、雰囲気を作る補助照明です。
シーリングライトは天井に密着し、部屋全体を均一に明るくするのが得意です。一方、間接照明は光源を隠し、壁や天井に光を反射させ、柔らかく奥行きのある空間を演出します。両者を組み合わせることでより快適な照明環境が作れます。
- ニトリなどで購入できるおすすめの間接照明はありますか?
-
ニトリでは、手軽に取り入れられるフロアランプやテーブルランプ、LEDテープライトなど、様々な間接照明が購入可能です。
特に、設置工事が不要でコンセントに挿すだけで使えるタイプが豊富です。価格もリーズナブルなものが多く、初めて間接照明を試したい方におすすめです。部屋のコーナーに置くフロアランプや、家具の裏に貼るLEDテープライトなどが人気です。








